NINJA TOOLS
忍者ブログ

技術者はめくらない

色々ありましたが通常運転してゆきます。

2017/12    11« 1  2  3  4  5  6  7  8  9  10  11  12  13  14  15  16  17  18  19  20  21  22  23  24  25  26  27  28  29  30  31  »01
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

 

まず読み始めて感じるのが、「プロの作家の割に文章が稚拙だなあ」と言う事。「足元をすくわれた」と言う素人レベルの誤用から、「不安がひらめいた」と言う、誤用とまでは言えないかも知れないが不自然なつながり、「まあ、平凡~だわこいつ。~目が、そう語っていた」等の場景描写を放棄して箇条書きに走っている箇所など、読んでいるといちいち引っかかりを覚える為、難解な言葉が殆どないにも拘わらずストレスがたまります。これは程度の差はかなりありますが、一時期かなり叩かれた山田悠介の文章等と根底の所で繋がる物があり、兎に角、数多ある日本語から、その表現を選び抜くという、物書きが最も心を砕き、時には命をすり減らす覚悟で臨まねばならない行為が根本的に足りていない。この点から、文学としては評価以前の問題です。

しかし、斯様に文章が稚拙でも、トリックや犯人等が斬新であれば評価されるのがミステリーと言うもの。この点に関してはどうでしょうか?


拍手[0回]


ます、「金雀枝荘の殺人」と言う物々しいタイトルが付いてますが、金雀枝は季節を表す程度で本筋には関わってきませんし、結婚後の事件が肝なので、花言葉としてもずれています。これはミステリーと言うよりかなりホラーよりですが、「弟切草」で恨みを表す弟切草が、初恋を表すライラックに変わったような衝撃を期待すると肩透かしを食らいます(この作者はいつも中途半端にホラー要素を入れてどっちつかずになるので、どうせならその位ふっきれた方が良いとおもうのですが…)。

そもそも、館もので密室殺人の謎を扱うならば、まず館の不気味さや、登場人物の不可解さを充分に描写し、そこに取り残される事に対して恐怖を感じさせないと効果激減だと思うのですが、先述の描写能力の無さの成せる業か、館の描写も用語を並べるだけでそこからどういった印象を受けるかの形容が乏しく、旧家の血縁は紋切り型でもうお腹一杯、始めの事件の登場人物も、六人皆一様に常識のないうっとおしい奴ばかりで、リーダーとなる常識人や、突出して不気味な存在などの描き分けもできておらず、それらがだんだんと不安を煽られて行くような展開も無くいきなりポンと全員死んでしまうので、算数の文章題を読んでいるような気分で、心理的な盛り上がりが皆無。

さて、そのような文章の果てに待っていた結末は、「犯人は仲間全員を殺して家を出た後、管理人が自分で鍵を閉めて毒を飲んだ。家が広いから殺した事は気付かれなかった」と言うものですが、これ、真面目に真相を推理していた人が納得出来るだろうか…?二度目の事件時には、二階のシャワー室で美江が発した悲鳴を皆が聞いており(しかし、部屋の鍵は開けて、シャワー室の鍵だけ閉めて入ると言うのも変。万一不審者に部屋に入り込まれたら、あがった時に鉢合わせしてどうにもならないのではないか?)、夜にサロンで釘を打つ音を美江が聞いているので、古い家であることを考えても、音は割と良く伝わると思われます。こんな中で七人も殺して行けば、いくら寝込みを襲っても、音や悲鳴で気付かれる可能性大だし、殺した後の見立てを全員分行うのだって大変。そして、そう言う都合の悪い部分は描写も説明もされていません。

最後は一端中里が犯人と思わせておいて、乙彦が犯人だったというひと捻りがありますが、これも驚け無い。犯人が判明した時に驚くのは、その人物が確かに今までに少なからぬ描写をされていたにも拘わらず、作者が上手くその後の展開を書くことにより、いつの間にか自分の中で容疑者から外してしまうからですが、この作品の場合アリバイの無い乙彦は少なくとも容疑者から外すことは出来ず、地下室の調査を避け、中里が犯人であると露骨に誘導している事から、順当に行けば中里か乙彦かどちらかに着地するだろうとごく自然に読めてしまうからです。これで杏那だったり、殺された筈の美江だったりしたら驚いたでしょうけれど。

最後に作者はネバーエンディングストーリー等と自称していますが、時系列が順に書かれていないだけで、最後まで読んだからと言って新たな謎が増える訳では無いので、全然ネバーエンディングではないと思います。

まだ色々指摘したい点はあるのですが、ざっと挙げただけでも、素人目にこれだけ疑問符が付くのですが、ネット上の某書評サイトが1ページ目から絶賛で埋まって居たのが一番のミステリー。ルームメイトも映像化らしいし、何か見えない力が掛かっているのだろうか。
PR
お名前
タイトル
メール(非公開)
URL
文字色
絵文字 Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字
コメント
パスワード   コメント編集に必要です
管理人のみ閲覧

カレンダー

11 2017/12 01
S M T W T F S
1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31

最新コメント

[12/06 隆超(SPR@奈良)]
[12/06 隆超(SPR@奈良)]
[12/06 キヨモ]
[04/18 セル]
[04/18 SPR]

プロフィール

HN:
初霜若葉(SPR@奈良)
性別:
男性
職業:
塾講師(数理系)、設備機器設計を経て、2015年から機械メンテナンス系
趣味:
合気道(合気会・初段)・茶道(淡交会・上級)等を嗜んでいます
自己紹介:
自転車乗りで猫好き。初霜若葉は俳号に、SPR@奈良はスト2他プレイヤーネームに使用。Sリュウ・ダルシム・春麗を使い全国のスト2有る処に現れます:建築設備士・合気道初段・茶道助講師
Ride a bicycle, like cats,play SSFⅡT(O.Ryu,Dhalshim,Chunli),training Aikido,Chado.

忍者カウンター

P R

<< Back  | HOME Next >>
Copyright ©  -- 技術者はめくらない --  All Rights Reserved
Design by CriCri / Material by もずねこ / powered by NINJA TOOLS / 忍者ブログ / [PR]